長沢町にある「小渡井の枡井戸」は、国道1号を岡崎方面に向かい、東名高速道路の音羽蒲郡インターチェンジを越えたあたりを左折し、山中を進んだところにあります。近くには「霊水枡の井」と記された石柱があり、木の根元にある岩間の枡のようなくぼみに清水がたまり、そこから涼しげな音とともに流れ出ています。
この井戸には、聖徳太子にまつわる伝説が語り継がれています。昔、聖徳太子が馬でこの辺りを通りかかったときに、折からの暑さで喉が渇き水を望まれたそうです。家来が見つけた枡のような井戸の湧き水を口にした太子は、その清く冷たい水に感動して、太子自ら「小渡井枡井戸」と名づけられたそうです。このお水でお米を炊くとおいしいといわれ、水をくみに来る人が大勢います。
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